Column

琉球芸能の未来を担う若手が集結!『第1回選抜高校生かりゆし芸能公演』

2022/8/12公開

若手実演家の育成を目的として、毎年開催されている『かりゆし芸能公演』。30年目を迎える今年度、新たな試みとして『沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト』で金賞を受賞した高校生たちが出演する『高校生選抜かりゆし芸能公演』が行われます。そのみどころについて、事務局のみなさんにお話を伺いました。

−「高校生選抜かりゆし芸能公演」はどういった公演でしょうか

「これまでかりゆし芸能公演は、主に若手実演家の育成を目的に公演を実施してきました。県立郷土劇場(平成21年閉館)や国立劇場おきなわ、さらに令和元年度から公演場所を県内各地に広げ、離島などでも鑑賞していただけるよう取り組みました。鑑賞機会について拡充してきましたが、若手実演家の育成にこれまで以上に力を入れるために何かできないかと考え、「沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト」で金賞を受賞した高校生をメインにした公演を企画しました。

第1回高校生選抜かりゆし芸能公演 稽古の様子

ソロコンテストは沖縄県高等学校文化連盟(以下、高文連)が実施するコンテストで、三線部門と舞踊部門があります。
高校生で郷土芸能に関するコンテストといえば文化の甲子園とも言われる全国高校総合文化祭がありますが、全国高校総合文化祭は高校に郷土芸能部があるなど部活動として取り組んでいなければエントリーできません。一方、ソロコンテストはコンテストを受けたい個人がエントリーできます(※高文連に所属する学校を通じてのエントリー)
県内のほとんどの高校から出場可能なソロコンテストで金賞を受賞するということは、その時点で申し分ない実力があるということですが、これまではその実力をすぐに披露する機会がありませんでした。
そこで金賞受賞者を出演者とする公演が出来ないかと考え「高校生選抜かりゆし芸能公演」を立ち上げました。

第1回高校生選抜かりゆし芸能公演 稽古の様子

古典舞踊「かせかけ」の稽古

また、賛助出演者として公立大学法人沖縄県立芸術大学琉球芸能専攻の学生の方々にも出演していただきます。全体の構成については国立劇場おきなわ前芸術監督の嘉数道彦さんが手掛け、音楽監修には仲村逸夫さん、賛助出演者が踊る演目の舞踊監修には阿嘉修さんをお迎えしています。
高校生・芸大生ともに、お互いに刺激を与え合って成長する舞台になると思いますし、高校生にとっては芸能に打ち込む先輩たちと共に公演を作り上げることで、高校を卒業してから芸能にどう携わるのかなどの、ひとつの形に触れる良い機会にもなると思います。

−観る側だけでなく出演する側にとっても新しい公演になりそうですね。「高校生選抜かりゆし芸能公演」の内容とみどころを教えてください

まずソロコンテストの三線部門で金賞を受賞した6人全員が演奏に加わる「かぎやで風」で幕を開け、舞踊部門の受賞者8人が1人ずつ「上り口説」「前の浜」「貫花」「かせかけ」などの舞踊を披露します。また、芸大生による組踊「久志の若按司道行口説(抜粋)」や阿嘉修さん作舞の「パーランクー」、さらに三線部門で高文連会長賞、県立芸術大学長賞を受賞した3人それぞれによる独唱など、古典舞踊、雑踊、創作舞踊、組踊、独唱とバラエティに富んだ演目が楽しめます。

高校生3人による独唱の稽古

芸大生による創作舞踊「パーランクー」(作舞・阿嘉修)

−最後にメッセージをお願いします

これからの琉球芸能を担う存在となる若手が、流派の垣根を越えて一つの舞台をつくり上げる貴重な機会となります。
フレッシュなだけでなく見ごたえのある舞踊や演奏をご覧いただけますので、ぜひご期待ください。


詳しい演目については下記公式ウェブサイトに発表されているのでチェックしてみてください。かりゆし芸能公演FacebookやInstagramストーリーでは公演日に向けてのカウントダウンや稽古の様子を見ることができますよ。
今年の夏は、琉球芸能を未来へ継承する若い力を「高校生選抜かりゆし芸能公演」でご覧になってみてはいかがでしょうか。

<取材協力>
公益財団法人沖縄県文化振興会 沖縄県伝統芸能公演(かりゆし芸能公演)事務局
玉城知世さん・仲宗根朝子さん・高良真由美さん
高校生選抜かりゆし芸能公演:https://okicul-pr.jp/kariyushi/schedule/2022/06/1.php


わたしがつなぐ 琉球芸能の未来


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