『第17回ドゥナンスンカニ大会』で、島の伝統を歌い継ぐ
2020/1/30公開
日本最西端の島・与那国島の「ドゥナンスンカニ」を知っていますか?「ドゥナンスンカニ」とはどこか懐かしくて、物哀しさを感じさせる、古くから伝わる民謡のことです。この歌を後世へと継承・発展させていこうと、毎年「ドゥナンスンカニ大会」が開催されています。今回は、主催者である与那国町教育委員会・杉本夏代さんにお話を伺いました。
−まず、「ドゥナンスンカニ」とはどういう意味でしょうか?
“ドゥナン”は与那国のことです。“スンカニ”の語源は諸説ありますが、本土で流行した「ションガエナ節」に由来しているのではないかと思われます。沖縄には他にも、「遊びションカネー」、「多良間ションカネー」など、同じ由来だと考えられる民謡がありますね。
—島の民謡の正しい継承と発展を目的に開催されていますが、魅力ある大会にするために様々な工夫をされているそうですね
より歌への理解を深めるため、大会前にはドゥナンスンカニの舞台となった場所を巡るツアーや、琉歌の基本を学んで作詞に挑戦するための講座を開催しています。
また、与那国島内で歌われている「ドゥナンスンカニ」だけでなく、八重山で広く歌われている「与那国ションカネー」での出場を認めるなど、より多くの人が参加できるようなルールづくりをしています。歌い手は年々少なくなっていますが、どうにか大会を続けていきたいと思っています。

ゆかりの地めぐり&作詞講座

大会の様子
—今も歌われている「ドゥナンスンカニ」の歌詞を教えてください
常歌詞はいくつかありますが、代表的なものは次にご紹介する3番です。愛しい人が石垣島に戻ってしまい、取り残された女性の心情を歌っています。
ありがとうございます。実際に、地元の方が歌い上げる「ドゥナンスンカニ」を聞いてみたくなりますね。
「与那国島に足を運んでいただくと、スンカニに込められた気持ちを風、海、荒々しい岩場などの自然から感じ取っていただけると思います」と、杉本さん。インターネットやCDなどで、どこでも歌を聴くことはできますが、地域の歴史を色濃く背負った民謡は、実際にその土地で聴くことで、何倍も心に響いてきます。
また、大会を観に行くのはもちろん、申し込みをすれば誰でも出場することができるとのこと!歌に自信のない方は、「作詞の部」もあるので、挑戦してみてはいかがでしょうか?
<取材協力>
与那国町教育委員会 杉本夏代さん
公式ウェブサイト:https://www.town.yonaguni.okinawa.jp/category/bunya/bunka/bunka/