沖縄の人々が大切にしてきた「心」に触れる -気軽に沖縄芸能舞台を楽しもう-
2019/8/28公開
どなたでも気軽に沖縄芸能を体験してもらえるようにと、平成24年度から行われている取り組み『Ship of the Ryukyu』。
8年目となる今年度は名称を『沖縄県文化観光戦略推進事業』へと変え、新たにスタートを切ります。事務局のみなさんに今年度のみどころと沖縄芸能の魅力について、お話を伺いました。
−名称を『Ship of the Ryukyu』から『沖縄県文化観光戦略推進事業』としたねらいや、これまでとの違いはありますか。
沖縄県が主催する『Ship of the Ryukyu』は「琉球が誇る芸能文化を船に乗せ、世界中に奔らせよう」をコンセプトに、複数の演目を集めた芸能舞台プロジェクトでした。しかし『Ship of the Ryukyu』がひとつの作品名と間違われることも多かったため、今年からより分かりやすくなるよう、事業名をそのまま使用する方針に切り替えました。
新たな取り組みとしては、従来のような芸能作品に加え、京都で有名な「ギオンコーナー」(舞妓さんによる京舞をはじめ、茶道、華道、箏曲、雅楽、狂言、文楽、7つの伝統芸能を鑑賞できるスポット)のような様々な伝統芸能を少しずつ見られるオムニバス形式の作品「a la carte」を上演します。また、SNS(YouTube、Twitter、Instagram)を活用し動画でのPRを行うほか、稽古場の様子など様々な視点から舞台を楽しんでいただけるような情報発信を行う予定です。

オムニバス形式の「a la carte」(イメージ)
YouTube公式チャンネルには演目ごとの動画も
—『沖縄県文化観光戦略推進事業』の公演が県内各地で行われる芸能公演と異なる点はありますか。
今年は組踊300周年ということもあり、組踊を中心に琉球芸能の盛り上がりを感じますが、例えばこれまで組踊を全く見たことのない観光客の方が「ちょっと見に行ってみようかな」と思うには、少しハードルが高いかもしれません。そこで、気軽に見られて「沖縄の芸能って面白いんだ」と思っていただけるような、入り口としての沖縄芸能を意識しています。まずは見て、知ってもらい、そこから各団体や演目のファンになっていただけるような作品を上演します。

極上の琉球芸能×ドタバタコメディ―『五月九月』
—それぞれのみどころを教えてください
a la carte
~琉球芸能をお好みで~
2019/10/11~10/13
- [会場]テンブスホール
- [団体名]琉球芸能大使館
みどころ
沖縄県立芸術大学講師であり組踊研究者の鈴木耕太氏を琉球芸能ソムリエとして迎え、実演家たちによる演舞をソムリエの解説付きでご紹介します。本日のおすすめは?メインディッシュは?目と耳と心で味わう琉球芸能をご堪能ください。
NEO Ryukyu
2019/11/29~12/1
- [会場]テンブスホール
- [団体名]NEO Ryukyu
みどころ
国際通り近くに専用劇場を構えるNEO Ryukyuの特別出張舞台公演。客席も舞台の一部、劇場全体を巻き込んだ舞台は圧巻です。
沖縄燦燦
(おきなわさんさん)
2020/1/10 ~ 1/12
- [会場]パレット市民劇場
- [団体名]エーシーオー沖縄
みどころ
7年連続公演。県外、国外でも公演を重ねて毎年パワーアップしています。「観るとパワーがもらえる・元気になる」と評判の舞台です。
五月九月
(ぐんぐぁちくんぐぁち)
2020/2/7 ~ 2/9
- [会場]テンブスホール
- [団体名]琉球芸能大使館
みどころ
ファン待望3年ぶりの公演。10月には東京公演も決定!「極上の琉球芸能×ドタバタコメディ―」の名にふさわしく、国立劇場おきなわの舞台などで活躍している若手・中堅の実演家がその技を惜しみなく披露しながらも、コメディータッチに仕上げた演出が見どころです。実演家たちからの評判も高い作品です。

沖縄の島々に伝わる歌と踊りで綴る沖縄版ミュージカル『沖縄燦燦』

体感ライブ型沖縄エンターテインメントショー『NEO Ryukyu』
—沖縄芸能の魅力は、どういったところにあるのでしょうか
沖縄芸能には沖縄の人々が大切にしてきた「心」が様式として色濃く残っています。観光客のみなさまには、芸能に触れることで沖縄の文化や心に触れる体験をしていただけると嬉しいです。芸能が身近にある県民のみなさまにも、自分たちのルーツを再確認する機会として、新たな視点で楽しんでいただけると思います。
—最後にメッセージをお願いします。
沖縄にはさまざまな魅力がありますが、時代を経ても変わらず大切にされてきた沖縄の「心」を強く感じることができる芸能は、まぎれもなくその魅力のひとつです。どの演目も、芸を極めた実演家たちによる本格的な舞台です。沖縄県が太鼓判を押す沖縄を代表する”沖縄芸能の今!が見られる舞台”が『沖縄県文化観光戦略推進事業』の公演作品、ぜひエネルギッシュな本物の舞台を見に来てください。
「上演時間は約1時間、会場は国際通りからすぐ」と、気軽に見ることができる沖縄芸能舞台公演。沖縄の人たちが古くから大切にしてきた「心」に触れる舞台鑑賞はいかがでしょうか。
<取材協力>
公益財団法人沖縄県文化振興会 沖縄県文化観光戦略推進事業事務局
事業事務局スタッフ(左端:棚原さん、右端:徳田さん)
事業PRのため国立劇場おきなわ組踊研修を修了した棚原さん、徳田さんの三線演奏で舞台に出演する実演家のおふたり(中央)とコラボレーションステージを行った際に撮影(2019年7月、銀座わしたショップにて)
沖縄県文化観光戦略推進事業 公式ウェブサイト:https://okinawageinodays.com/