『かりゆし芸能公演』に、次代を担う若手実演家を見つけにいこう!
2019/7/26公開
若手実演家の育成を目的として、毎年開催されている『かりゆし芸能公演』。気軽に伝統芸能を見ることができるだけでなく、期待のホープを発見できるチャンスでもあります!年間を通じて複数の公演がありますが、27年目を迎える今年度は、さらにラインナップがパワーアップしているとのこと。そのみどころについて、事務局の玉城知世さん、竹生雪乃さんにお話を伺いました。
−今年度から、「移動かりゆし芸能公演」として、国立劇場おきなわ以外でも上演されるようになりました。
「これまでは県立郷土劇場(平成21年閉館)や国立劇場おきなわで上演してきましたが、今年度からは県内各地で公演を実施します。鑑賞機会が少ない本島の北部地域や離島地域の皆さんにも伝統芸能に親しんでいただける機会をつくりたいという思いから、拡充されました。すでに6月には、伊是名島で劇団群星(むりぶし)の沖縄芝居を上演しています。私たちがおこなったインタビュー では、実演家にとっても離島での公演は貴重な機会だと好評をいただいています。

伊是名島での移動かりゆし芸能公演の様子
—これまで、かりゆし芸能公演は40歳以下の若手にスポットを当ててきましたが、「子ども×伝統芸能公演」という新たな取り組みも始まりました。どのような作品が見られるのでしょうか?
18歳以下の子どもたちが中心になって出演する舞台公演です。子どもの頃から出演する機会をつくることによって、次世代の担い手を育成することにつながります。また、観客席にも出演者と同世代の子どもたちが、親しみを持って見に来てくれることも期待しています。9月に予定している玉城流玉扇会新里直子琉舞道場の公演では、『およげ!たいやきくん』や『ルン♪ルン♪バルーン♪琉球舞踊』など、未就学児(小学生未満)でも楽しめる内容になっています。
![]() 沖縄芝居(歌劇) |
![]() 組踊 |
—様々なジャンルの芸能がラインナップにそろっているのも、魅力的ですね。それぞれのみどころを教えてください!
全部で5つのジャンルがあります。衣装や動きで演目ごとの違いを楽しめる「琉球舞踊」と「八重山舞踊」、様式美の中からにじみ出る個性が魅力的な「組踊」、雅なものから庶民的なものまで沖縄らしさを感じられる「三線等音楽」、昔ながらの沖縄の生活や人情味が垣間見える「沖縄芝居」。どのジャンルにおいても、衣装・音楽・使われている言葉、この3つが重要なポイントですが、どれをとっても一言では表せないほど、沖縄の魅力がつまっています。
![]() 琉球舞踊 |
![]() 八重山舞踊 |
ジャンルの違いはもちろん、公演団体によっても様々なバリエーションを楽しめる「かりゆし芸能公演」。何度も通いたくなりますね!
今年度のラインナップは、下記公式ウェブサイトをチェックしてみてください。各ジャンルに1団体ずつ、インタビュー記事の掲載が予定されています。普段は見ることの出来ない稽古の様子や、伝統を継承する熱い想いなど、ディープな部分に触れることができるそう。ますます、見に行きたくなるのではないでしょうか。
<取材協力>
公益財団法人沖縄県文化振興会 沖縄県伝統芸能公演支援事業担当
(左から)玉城知世さん・竹生雪乃さん
かりゆし芸能公演公式ウェブサイト:http://okicul-pr.jp/kariyushi/