Column

組踊300年の歴史を、首里城公園とおきみゅーへ見にいこう!

2019/6/28公開

2019年は、組踊(くみおどり)が誕生してから300年が経った節目の年。沖縄県内外でさまざまな公演が企画されています。今回ご紹介するのは、首里城公園と沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)で同時開催される、展覧会「THE KUMIODORI 300-組踊の歴史と拡がり-」。それぞれの会場で、どんな“お宝”を見ることができるのか、一般財団法人沖縄美ら島財団の仲宗根あいさんにお話を聞いてみました。

−首里城公園では「近世」、沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)では「近現代」をテーマにしていますが、それぞれどのような展示物を見ることができますか?

組踊は中国からの賓客、主に冊封使(さっぽうし)をもてなすため、1719年に玉城朝薫によってつくられました。首里城公園の会場では、組踊が誕生する王国時代に使用されていた衣裳や美術工芸品などを展示します。また冊封使を中心とした中国との交流を裏付ける、書やおもてなしの道具類をご紹介します。
おきみゅーの会場では、時代が移行する中で、外交という元来の目的を失った組踊が、困難を乗り越えて継承されていく過程に焦点を当てます。1879年の琉球処分の前後で各地に拡がった地域芸能としての組踊や、組踊が総合舞台芸術として高く評価されるよう尽力した名優たちに関する展示を行います。
首里城とおきみゅー、両方の展覧会を見ることで、組踊の魅力に多角的に触れることができると思います。

宜野座村松田に伝わる組踊「本部大主」の衣裳【おきみゅー】

眞境名由康(まじきなゆうこう)の阿麻和利の衣裳【おきみゅー】



—今回の展覧会で、とくに注目の展示物を教えてください。

それぞれ、ひとつずつピックアップしてみますね。

徐葆光が著した中山伝信録(ちゅうざんでんしんろく)【首里城公園】


首里城公園の会場では、首里城から出土した兜がみどころとなります。組踊「二童敵討(にどうてきうち)」に登場する阿麻和利(あまわり)の舞台衣裳を彷彿させる、興味深い資料です。
また、初めて組踊を観た冊封使・徐葆光(じょほこう)が、その様子を記録した書籍も展示します。

おきみゅー会場からは、国立劇場(所在地:東京都)が所有する片山春帆(かたやましゅんぱん)作の芸能画帖が挙げられます。1936年に東京で琉球芸能が披露された際のスケッチブックで、当時の芸能を描く唯一のカラー資料です。名優たちの服飾や演技が詳細に記録されています。


—最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします。

初上演から300年の間に、組踊は2つの大きな危機を迎えます。1879年の琉球処分と1945年の沖縄戦です。苦境に陥りながら今日まで受け継がれている背景には、先人たちの血のにじむような努力と情熱があったことと思います。
現在の組踊の公演の際には、現代語を映すモニターが設置されていたり、わかりやすい解説があったりと、楽しめる工夫が色々とされています。本展覧会を見ることで関心が高まり、実際に組踊を鑑賞するきっかけになれば嬉しいです。


今回は展示物についてご紹介していただきましたが、同会場では組踊に関するさまざまなイベントも企画されています。銘苅小学校の児童による「銘苅子」や、中城南上原子ども組踊塾生による新作「糸蒲の縁」など、子どもたちによる組踊の上演。また、「58組踊(ゴーパチクミオドリ)」や県立芸大生による琉球伝統芸能公演など、伝統芸能に馴染みのない人でも楽しめる企画など、盛りだくさんです。展覧会と合わせて、足を運んでみてはいかがでしょうか。

※各イベントの詳細は、おきみゅーの公式サイト をご覧ください。

<取材協力>
一般財団法人沖縄美ら島財団 総合研究センター 琉球文化財研究室 琉球文化財研究室係
仲宗根 あいさん
沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)公式ウェブサイト:https://okimu.jp/

2019年7月5日(金)~11月14日(木)

2019年7月11日(木)~8月25日(日)


サポートされていないブラウザです。
申し訳ございません。お客様がお使いのブラウザのバージョンでは、ウェブサイトをご覧いただけません。
大変お手数ですが、ご利用のブラウザバージョンをご確認のうえ、最新のものにアップデートしてください。