Column

お買いもの帰りに、『那覇市歴史博物館』へ王朝時代の文化を見に行こう!

2019/1/30公開

学生はなんと無料で、一般の方もリーズナブルな価格で国宝などの貴重な文化財を見ることができる、那覇市歴史博物館。
ゆいレール「県庁前駅」に隣接していてアクセス抜群の施設ですが、実は行ったことがない、という県民のみなさんも少なくないのでは……?その魅力を伝えるべく、今回は学芸員の山田葉子さんにお話を伺いました!

−那覇市歴史博物館は、あまり広い会場ではありませんが、その中にバリエーションに富んだ展示品が並んでいます。「常設展」「企画展」「特別展」の3部屋がありますが、それぞれの特徴を教えてください。

常設展

那覇市にある博物館ならではということで、テーマは「王朝文化と都市の歴史」。この地域にゆかりのある方々から寄贈された染織品や漆器、書画などをとおして、近世から現代までの首里・那覇の歴史と文化を紹介しています。古地図や戦前の那覇の街のジオラマなどもあるので、当時の様子に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

戦前の那覇の街のジオラマ:看板など細かいところまで再現されているので、何度見ても新しい発見が!

企画展

1年のうちに4回、学芸員がアイデアを出し合って企画しています。那覇ならではの都市文化や行事、時節にあったものをテーマに取り上げることが多いです。
皆さんの身近にあるものがテーマになっている企画展は、人気がありますね。たとえば、王国時代に首里那覇の士族から始まり本島内に広まった「清明祭(しーみー)」をテーマにした展示や、中国からの使者のおもてなし料理から派生した「那覇のお菓子」をテーマにした展示などです。
2019年は、牧志公設市場が建て替えの予定をしているので、4月から『那覇の市場展』や、身近なところにあって普段目にしているけれど、なかなか気付かない「たからもの」を紹介する『那覇のたからもの展』を開催します。

特別展

沖縄県で唯一の国宝である「琉球国王尚家関係資料」を中心に、琉球国王の紅型衣裳や資料などを展示しているのが、特別展です。染織品は毎月テーマを変えて、異なるものを展示しています。また、国宝の中でも人気のある「王冠」を見られるのは、年に2回です。2019年は5月と11月に、2週間ずつの公開を予定していますので、お見逃しなく!」

月ごとに変わる、紅型衣装

王冠のレプリカ:国宝の展示期間以外でも、本物そっくりのレプリカを展示

−2019年1月〜3月にかけて開催している『金武家資料展』について、見どころを教えてください。

「金武家は首里の上級士族の出身であることから、士族層から始まった伝統芸能「組踊(くみおどり)」を伝えてきました。品位のある芸風から「歌聖」とまで称えられた金武良仁。その息子である良章は、組踊の研究と普及に尽力しました。
そんな2人にゆかりのある、三線の名器「壱石(いちくくう)」や舞台で使われていた華やかな衣装や小道具などを展示します。中でも金武良章の華やかな紅型衣装は、期間中に展示替えをして、前半と後半でちがう衣装をご覧いただけます。
今年は、組踊がはじめて上演されてから、300周年という節目の年です。この機会に金武家資料展を開催できたことは、何かの巡り会わせという気がしています。


毎月ごとに変わっていく展示物があったり、バリエーション豊かな企画展があったりと、1度と言わず、何度も訪れたくなりました。
冒頭でもお伝えしたとおり、大学生以下はなんと無料。一般料金でも350円で、年間パスポートは1,200円とリーズナブルです。
今回は現在開催中の企画展を中心にご紹介しましたが、今後の展示スケジュールは公式ホームページから見ることができます。ぜひチェックしてみてください!

<取材協力>
那覇市歴史博物館 学芸員 山田葉子さん
公式ウェブサイト:http://www.rekishi-archive.city.naha.okinawa.jp/

しまかるイベントページ

金武家資料展

2019年1月8日~3月18日※木曜休館
住所:那覇市久茂地1-1-1 パレットくもじ4階


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