Column

新年の門出は『新春組踊大公演』でお祝いしよう!

2018/12/20公開

毎年「国立劇場おきなわ」で開催されている『新春組踊大公演』は、今回で5年目。沖縄のお正月の風物詩ともなっています。そしてまもなく来る2019年は、“組踊誕生300周年”という記念の年です!今回は、組踊保存会の会長・眞境名正憲先生にお話を伺いました。

−本公演では、玉城朝薫の五番から仇討物(あだうちもの)『護佐丸敵討(ごさまるてきうち)』と、高宮城親雲上(たかみやぐすくぺーちん)作の世話物(せわもの)『花売の縁』が上演されます。どちらも有名な作品ですが、それぞれの見どころ・聞きどころを教えてください!

『護佐丸敵討』は、1719年に冊封使を歓待する宴で初めて上演された演目です。まさに、300周年の節目の年のはじまりにはふさわしい演目といえますね。『二童敵討(にどうてきうち)』というタイトルの方が馴染みのある方もいるかもしれません。あらすじを簡単にご説明すると、勝連城主の按司(あじ)に親を殺されてしまった兄弟が、敵討ちをする物語です。本作の主人公である二童の華やかな踊りや、敵役である阿麻和利(あまおへ)の豪快な唱えにご注目を。哀しい母子の別れの場でうたわれる「散山節」と「伊野波節」が聴きどころです。

護佐丸敵討(二童敵討)


『花売の縁』は、山原に田舎降りした森川の子(もりかわのしー)が、訪ねてきた妻子と再開する物語。森川の子の踊りはもちろん、脇役でありながらも異彩を放つ猿の踊りが見どころです。13曲もの歌が使われて、音楽的にも大変優れています。

花売の縁

—新春組踊大公演は、毎年たくさんの方が来場されていますが、2019年はより幅広い層の方に見に来ていただきたいですね

もともと、組踊をより多くの方に身近に感じてほしいという思いから、この企画は始まっています。2018年12月16日の沖縄タイムスの投稿欄『ぼくも私も』に、小学6年生が“今回はじめて国立劇場おきなわで組踊を見ることができて、沖縄のすごい宝を、初めて知ることができました。とても良い経験をしたんだなと思いました。”と書いていました。このように、子どもたちや若い方にも観劇してほしいです。

護佐丸敵討(二童敵討)

−最後に、組踊300周年に向けて、メッセージをお願いします!

2019年は、5月に国立劇場おきなわとの共催公演、11月に300周年事業実行委員会による公演を計画しています。とにかく、組踊が多くの県民の皆様に支持され、次の400周年に向けて力強く発展することを期待します。


見どころ・聴きどころなどを教えていただけて、ますます観劇をするのが楽しみになりました!普段は伝統芸能に馴染みがない方や、組踊は観たことがないという方も、この機会にぜひ国立劇場おきなわに足を運んでみてはいかがでしょうか。

<取材協力>
一般社団法人 伝統組踊保存会
会長 眞境名正憲先生
公式ウェブサイト:http://kumiodori.jp/aboutus/index.html

しまかるイベントページ

2019新春組踊大公演~組踊上演300周年~

2019年1月5日 13:00開演


サポートされていないブラウザです。
申し訳ございません。お客様がお使いのブラウザのバージョンでは、ウェブサイトをご覧いただけません。
大変お手数ですが、ご利用のブラウザバージョンをご確認のうえ、最新のものにアップデートしてください。