民俗芸能(伝統的なエイサー・創作エイサー)
地域の祭祀や行事のなかで、人々が歌い踊り継いできた集団性の強い芸能を民俗芸能といいます。芸能の宝庫といわれる沖縄には、各地に個性豊かな民俗芸能があり、国の重要無形文化財に指定されているものも少なくありません。村踊りや豊年祭では、獅子舞や舞踊、組踊、沖縄芝居など多彩な演目が地域の人々によって数多く演じられます。同じ演目でも、地域の歴史や風土によって音曲や振付、扮装などに違いがあり、その土地ならではの特徴があることも民俗芸能の魅力です。
旧盆行事であるエイサーは青年団による民俗芸能でしたが、戦後は教育現場への導入による低年齢化や全国・海外への普及と発展でその名を高めています。大和から伝来した念仏踊りがルーツといわれますが、地域によって太鼓を用いない手踊りやパーランクーのみのエイサーもあるなどスタイルはさまざまです。地元の若者たちが大太鼓や締太鼓を手に勇壮に集落を練り歩く伝統的なエイサーが続けられる一方で、全島各地のエイサーが一堂に集うエイサー大会などイベント化が進みその普及に大きな役割を果たしました。
1980年代以降は、「琉球国祭り太鼓」に代表されるようなクラブチーム型のエイサー団体が増えそれぞれが幅広い活動を展開しています。伝統的なエイサーで用いる民謡から沖縄ポップミュージックにあわせた斬新な振付へと、創作エイサーは近年とくに進化しています。沖縄県はエイサーのメッカとして、国内外で活動するエイサー団体が演舞を繰り広げる世界エイサー大会を行っています。