琉球舞踊
琉球舞踊は沖縄で継承されている伝統舞踊です。琉球王国時代につくられた古典舞踊と、明治以降に誕生した雑踊り、戦後生まれの創作舞踊の三つに分けられ、古典舞踊と雑踊りは国の重要無形文化財に指定されています。
宮廷芸能として洗練された古典舞踊の手振りや身振りの基本は、古来からの祭祀舞踊に由来します。また、組踊のなかで踊られる舞踊はもちろん、組踊役者の舞台での歩みや構え、身のこなしなど所作のすべてを古典舞踊が支えています。古典舞踊の特色は舞踊に性別とジャンルがあることで、老人踊り、若衆踊り、女踊り、二才(成人男子)踊りと分かれ、それぞれに相応しいテーマと音楽で典雅に踊られます。
雑踊りは廃藩置県後の芝居小屋で誕生しました。古典舞踊に飽き足らない観客や時代のニーズを受けて、音楽も古典音楽に限らず地方の民謡を用いたり、アップテンポに変調したりして、古典舞踊にはなかった市井の風俗や庶民の心情を豊かに表現して人気を集めました。
時代を超えて普遍性をもち今も盛んに踊られている古典舞踊や雑踊りに対して、戦後、舞踊家たちが自らの感性や独創性を生かして新たにつくった琉球舞踊は創作舞踊と呼ばれます。取り上げるテーマはもちろん、用いる音楽や歌詞、衣裳、踊りの振付や舞台の使い方まで独自の工夫が凝らされています。