織り

琉球絣
沖縄の染織の特徴は、小さな島でありながらも素材と技法が豊富で、染織王国であるインドやインドネシアに匹敵する多様性を持つ点にあります。沖縄本島から与那国島まで、12品目の織物が国指定の伝統的工芸品として生産されており、日本国内においても特異な地域です。
中でも14〜15世紀に登場する芭蕉布は、イトバショウの繊維を織った風通しの良い布で、亜熱帯気候の沖縄に最適な夏布です。16世紀には、インドで発祥した「絣」が琉球へ伝来。身近な自然や風情をモチーフに、琉球独自の模様を育みながら独自に発達し、日本の絣織のルーツとなっていきました。しかしながら、織物は琉球王府から庶民に課された「過酷な租税」でもありました。今日、沖縄に多様な織物が残されている理由の一つとして、王府の厳しい取り立てがあった歴史背景があげられます。
各産地では、伝統的な織物の技術を守り継承しながら、それぞれの布の魅力を活かした日常使いのできる小物やアクセサリー類の創作にも取り組み、新しい風を伝統に吹き込んでいます。